愛知県の8月の自殺者数が全国の都道府県で2番目に多い119人に上ったことを受け、大村秀章知事が14日、県民に向けて緊急メッセージを出した。新型コロナウイルスの影響も踏まえ、「悩みや苦しい思いを抱えこまないで」と呼びかけている。
警察庁の統計(速報値)によると、8月の全国の自殺者数は1849人で前年同月比15%増。そのなかで愛知は119人で、同月比63%(46人)増だった。増加数は全国で3番目に多く、埼玉、千葉など首都圏に匹敵する。
この日の記者会見で大村知事は「背景には失業や多重債務、過労、いじめ、孤立などの社会的要因があり、新型コロナウイルスの影響などにより自殺のリスクが高まることもあり得る」と指摘した。
緊急メッセージは、「コロナの収束の見通しが立たない中、今後の生活に大きな不安を感じている方が多いのではないか」として、悩んでいる人に家族や仲間など信頼できる人に話すこと、相談窓口を利用することを呼びかけた。周囲の人が何らかのサインに気付き、声をかけることの大切さも訴えている。
県では相談窓口「あいちこころほっとライン365」(052・951・2881)を開設している。(中野龍三)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル